前編ではパイロットの平岡幸士郎さんにインタビューを行いました。 今回は中編ということで、ボートマンを担当した由良さんのインタビューをお届けします。

目次

大会前日の心境
ボートマンとして飛行機を見ていて、感じたこと
平岡さんに「チーム記録を更新した」と伝えたときに感じたこと
カワセミが着水したときの心境
結果を踏まえた大会後の心境
ボートで平岡さんと帰ってきたき、どんなことを話していたのか?
フライト前に平岡さんにどういう声掛けをした?
平岡さんと肩を組んで帰ってくるとき、どんなことを感じていた?

大会前日の心境

――まずは大会お疲れさまでした。

由良さん お疲れさまでした。

――大会前日はどのような心境でしたか?

由良さん 大会前日は航空部の人と一緒にいて、航空部の人とステーキ屋に行きました。 それでだいぶ緊張が和らいだつもりでしたが、ホテルに帰ったら、気象情報をとにかく集めようと。 で、気象に詳しい人にも声をかけて。「明日のコースどうしようか」という話をずっとしていました。 結局やっていたら1:00くらいになっちゃって。で、寝ようと思ったら、応援団の子からLINEが来て1時間、2時間くらいしか寝られなかったと。 ということで、緊張もしつつ、情報を集めるということをしていました。

▲気象情報をとにかく集めていた由良さん


ボートマンとして飛行機を見ていて、感じたこと

――ボートマンとして飛行機を見ていて、「いいなぁ」と思ったときとか「かっこいいなぁ」って思ったときとかってありますか?

由良さん ボートが1回機体の下に入ったことがあって、そのときに幸士郎さんの足が見えつつ、船が見えて。 僕胴体班なので、船のアウトレットがよく見えて。その胴体の成果が下から真上に見えて。 そこでもう泣きそうだったんですけど。まぁ頑張ってこらえて。っていう感じでした。心境は、まぁもう大忙し。基本的にGPS、無線、アナウンサー、機体姿勢、コース、風っていうのをずっと考えていたので、 「泣きそうだった」と言っても、涙が流れるほど余裕はなかったです。

▲飛行中ずっと大忙しだった由良さん


平岡さんに「チーム記録を更新した」と伝えたときに感じたこと

――平岡さんに「チーム記録を更新した」と伝えたとき、伝える前に「無事に超えれたな」みたいな気持ちにはなりましたか?

由良さん もちろん僕は幸士郎さんと一緒で「絶対超えるだろう」と思っていたので、 「6km超えましたよ」と言っただけで、「チーム記録更新しました!どうですか由良くん!」みたいな。 で、「超えると思ってました。」みたいな同じことを言って。超えると思ってたからあまり衝撃もなく。言ったら悪いんですけど、通過点みたいな。そういう感じでした。

▲衝撃はあまりなかったという。


カワセミが着水した時の心境

――カワセミが着水した時の心境を教えて下さい。

由良さん 幸士郎さんは体力的にも旋回点近く行ける能力はあると思っていたので、 「14kmで絶対落としてはいけない」と思ってたんですけど、やっぱり限界だったみたいで。ちょっと悔しかったのもあります。 何より幸士郎さんの心配8割、僕らが作った胴体フェアリングが丸々全部なくなって僕らの成果が琵琶湖に沈むという衝撃も結構でかくて、それが2割。 で、帰ったら、琵琶湖湖岸にチームメンバーがいるけど、そのときに「絶対失敗した」と思っていたので、「もう頭あげられないな」と思ってたけど、 結局、ログをみたら、それなりにうまい具合に飛んでいたと。 けど、そのときはもういっぱいいっぱいで。ひたすら流されていたので、「どう頭を下げればいいのか」を考えようと思ってました。

結果を踏まえた大会後の心境

――結果を踏まえて、大会後の心境を教えて下さい。

由良さん 僕はまたボートマンをやりたいと思ってます。 僕はまたやりたいけど、僕がまたやると、チーム的にはよくないし、引き継ぎもしたいので、今年でボートはやめるんですけど。 心境としては、いち早く来年の子を僕より高い次元に持っていきたいっていうのを思ってます。 それをするとともに、幸士郎さんのような強いパイロットを育てたいと思うようになりました。

ボートで平岡さんと帰ってきたとき、どんなことを話していたのか?

――ボートで平岡さんと帰ってきたとき、どんなことを話していましたか?

由良さん 帰るときは、僕もずっと感極まっていたので、 「本当によく頑張ってくれました。カワセミも喜んでます」とかいうわけわからんことをずっと言ってました。 まぁ実際カワセミは喜んでます。ずっと言っていたのは、「カワセミは幸せ者です。14kmも飛ばせてもらえて絶対喜んでますよ」とか 「途中流されてましたね」「コースとしては反省点が多いかもしれませんね」みたいな話をしながら帰ってきつつ、湖岸が近づいてくるころには、感極まってたのも和らいできて。 で、GPSを見たら「50kmも出てる」みたいなことを言いながらそのときにGPSのログをとめるのを忘れてて止めました。 だから途中ちょっと帰ってきちゃってるみたいなことになってました。今まで飛んできた距離が長すぎて帰ってくるのも30分くらいかかって。 それを飛んできた幸士郎さんが横にいると。「本当にこの人やったんだなぁ」みたいなことはずっと思ってて。 で、アナウンサーの人もずっと喋ってくれて。心境としては、その辺で「やり切ったなぁ」とは思いつつ、まぁ幸士郎さんは降りたときに「やり切った」と思ったと思うけど、 僕は、帰ってくるときに「やり切った」と思いました。

フライト前に平岡さんにどういう声掛けをした?

――フライト前に平岡さんにどういう声掛けをしたんですか?

由良さん 死んでも緊張させたくない。 と思ってたんですよね。結局僕の方が緊張していたので。なので、広報班に絶対撮っておいてほしかったなって思ったのは、 幸士郎さんと行く前に「今日はよろしくお願いします」って握手して、「やりましょう」って言って。 今思えば広報班の誰かに言って、「撮って」って言っておけばよかったなってちょっと後悔してるんですけど。 こう…幸士郎さんに対するメンタルケアみたいなものもボートの役目だと思って、精一杯4年生に声かけたりしてたけど、 結局自分の方が緊張したっていうオチです。

▲死んでも緊張させたくなかった


幸士郎さんと肩を組んで帰ってくるとき、どんなことを感じていた?

――幸士郎さんと肩を組んで帰ってくるとき、どんなことを感じていましたか?

由良さん 「帰った来たな」っていうのと、幸士郎さんの足がつっていたから持ってあげないといけないから、 「支えてあげて」って言われて。みんな拍手してくれて。拍手されながら帰ってくるときは、「これ絶対かっこいいやん」と思いながら帰ってきましたね。

▲ご満悦なご様子

由良さん 肩組んでるときに幸士郎さんの横に入れてよかったなぁと思いましたね。来年のボートに言いたいのは、「声を大きくするな」と言いたいです。 ピンマイクをつけてたんですけど、マイクまでの距離が近かった。これが一番反省点です。



ここまで(中編)は由良さんのインタビューをお届けしました。後編では平岡さんと由良さんの対談形式のインタビューをお届けします。

次ページ:由良さん、平岡パイロットが語る鳥人間コンテスト2022大会の裏側

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