本日、鳥人間コンテスト2022が放送されました。ご視聴・応援していただいた皆様、ありがとうございました。大阪工業大学人力飛行機プロジェクトの結果は、14274.23mで2位でした。 詳しい結果などこちらからご覧ください。 そんな中、パイロットインタビュー動画がYouTubeにて公開されました。ご視聴いただけましたでしょうか?まだご覧いただいていない方はこちらから!
そんなビッグフライトを成し遂げた後のパイロット平岡さんとボートマンを担当した由良さんにインタビューを行いました。
本記事は、YouTubeに入りきらなかったほかの質問を含めたフルバージョンを掲載しております。 前編、中編、後編に分けてお送りいたします。前編は平岡パイロットのインタビュー、中編は由良さんのインタビュー、後編はパイロットとボートマンが語る大会の裏側をお届けします。
今回は前編ということで、平岡パイロットのインタビューをお届けします。

目次

大会前日の心境
プラットフォームから離れたときの心境
飛んでいたときの心境
途中足がつっていたときの状況
飛んでいるときに「チーム記録を更新した」と聞いたときの心境
大健闘の末14km地点で着水
飛行機から出たとき笑っていた?
大会が終わった後の気持ち
14kmという距離を飛んだ平岡パイロット。もう一回飛びたいのか?
念願のパイロットに選出
平岡パイロットから次のパイロットに伝えたいこと

大会前日の心境

――大会お疲れさまでした。

平岡さん お疲れさまでした。

――大会前日はどのような心境でしたか?

平岡さん とても緊張していました。緊張しすぎてメンバーに嘆いていました。飛べる自信はあったけど、どうしてもプラットフォームから出た瞬間「落ちるんじゃないかなぁ」というので不安と緊張で死にそうでした。

プラットフォームから離れて飛んだ瞬間の心境

――プラットフォームから離れて飛んだ瞬間、ジャンプテストやテストフライトとは違ったと思うんですけど、どんな感じでしたか?

▲ジャンプテスト・テストフライトとプラットフォームの違いを説明してくれている


平岡さん ジャンプテストとかテストフライトって離陸を最初にしないといけなくて。 まず、足で漕いでふわっと浮く感じがあるんですけど、今回のプラットフォームはもともと10mの高さがあるから、そういうのもなくて。 「スーッ」とそのまま飛び立ったような感じ。前からも正対風も強くなかったので、そのままきれいに出て。 どんな感覚でしたか。難しいですね…。本当に滑るように「スー」っと出て行って、「浮いたー!」という感覚ではなかったですね。なにかいつもとは違いました。

飛んでいた時の心境

――飛んでいたときの心境を教えて下さい。

平岡さん 飛びはじめはとても緊張したこともあって、機体の姿勢を安定させるので精一杯でしたけど、1kmくらい飛んでからだんだん慣れてきて。 慣れてきてからは琵琶湖を眺めたりとか、中でふざけたりとか、コックピット内でピースしたりとか楽しくやってました。 琵琶湖はとてもきれいでした。

途中足がつっていた

――途中足がつっていたということを聞きましたが、どのような状況でしたか?

平岡さん 8km地点くらいで言ってたんですけど、風が前からではなく、上から叩き潰されるような感覚で足がすごく重くて。 でも、高度を上げないといけないから頑張って漕いでたんですけど、負荷があまりにも高すぎて、8km地点でだいぶ限界を迎えて、ふくらはぎがつりそうでした。 完全にはつっていないけど、いつつってもおかしくないなという感じでした。

▲いつつってもおかしくない状況だった


――やはり、自転車とは違いましたか?

平岡さん 全然違いますね

見事チーム記録を更新

――飛んでいるときに「チーム記録を更新した」と聞いたときの心境を教えて下さい。

平岡さん チーム記録を更新することは当然だと思っていたので、「あと半分以上飛ばないとな」というのがありました。

大健闘の末14kmで着水

――14km地点で着水したときの心境を教えて下さい。

平岡さん 着水する寸前は、経過した時間が知りたかったので、中についていたオンボードカメラのGoProの時間を見ていました。 GoProの時間を見たらちょうど1時間くらい経っていて、「だいぶ飛んでたんだなぁ」と思ってそのまま着水まで入りました。 やり切った感が4割、悔しい想いが6割という感じです。目標はパイロン旋回までだったので。何も言わずに着水しました。

▲悔しい思いが残る平岡さん


飛行機から出たとき笑っていた?

――飛行機から出てきたとき、平岡さんの表情が笑っているような感覚がありました。

平岡さん 矢部さんに出てきた瞬間「笑ってるやん!この子!」という風に言われましたけど、あれは笑ってるんじゃなくて、左足がつっていてしんどかっただけですからね。 全然笑ってないんですよ、あれ。

▲裏話を楽しそうに語る


――シンプルに足がつっていたということですか?

平岡さん そうです。着水した瞬間に足がつったので。「もう無理」ってなりました。

大会が終わった後の気持ち

――今回の結果を踏まえて、大会が終わった後、どんな気持ちだったか教えて下さい。

平岡さん 結論から言うと、満足でした。 大会当日は、「80点くらいかな」と言っていましたが、総合的に見ると、よかったんじゃないかなぁと思います。

▲当時の自分の真似をしている


チーム記録を更新できたし、念願の10kmも達成できたので。悔しかったのは当日ぐらいでした。 でも、今はよかったなって思えています。パイロン旋回は次の代の子に任せるとします。

14km琵琶湖を飛んだ平岡パイロット。もう一度飛びたいのか?

――今回琵琶湖を飛びましたけど、もう一回飛びたいですか?

平岡さん うーん…。飛んでみたいという気持ちはあります。 でも、あそこはもっと他の人にも経験してもらいたいです。独り占めするのはもったいないなって思います。 「ここのチームとしてもう一回飛びたい?」と聞かれると、もういいかなって感じです。 コックピット内ではふざけまくりました。いろんな人の真似をしました。 今回の鳥人間コンテスト参加者の中で一番ふざけて飛んでいた気がします。あと、ちょっと撮れ高気にしながら飛んでいました。

――割とふざける余裕はありましたか?

平岡さん ふざける余裕はありました。「琵琶湖綺麗だな」って思いながら。



念願のパイロットに選出

――今年パイロットになれると決まって、どんな心境でしたか?

平岡さん 決まったのは去年(2021年)の秋かな。確か10月とか11月とかだったよね。 「やっとか。」っていう感じ。なんか1回生からずっとパイロットをやりたくてここに入ってやってきたけど、散々同期にも先輩からもとやかく言われてきたから。 足も大したことないし、操縦は下手だったから。それ以外にもパイロットになりたいなぁって言っていた人もいるけど。あと、後輩もいたし。 1回去年の執行代の時点で引退しようかなとも思っていたけど、でも「飛びたいなぁ」って。測定会で負けたら引退しようと思って。 まぁ勝ったから。で、そのまま「じゃあやってみようかな」っていう感じ。

▲引退も考えていたらしい


平岡パイロットから次のパイロットに伝えたいこと

――次のパイロットに言いたいこととか伝えたいことはありますか?

平岡さん 次のパイロットに言いたいこと?…帰ってこい!笑「20km超えて帰ってこい」って言いたい。「パイロン旋回して帰ってこい」って言いたい。



ここまで(前編)は平岡さんのインタビューをお届けしました。中編ではボートマンを担当した由良さんのインタビューをお届けします。

次ページ:由良さん、ボートマンを語る「ずっと感極まってました」

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